あかねいろ*

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2027-08-22-Sun-23-59

初めに*

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2013-05-09-Thu-03-34

人探し、夏⑤

内容は特に他愛のないもので、『りさが好きだったので』とだけ記されていた。りさの好きな、何だろう。そんなことを考えながら自分の携帯をポケットから探り出し、メールアドレスを自分の携帯に入れる。いろんな数字とアルファベットの混じったアドレスの中、motorという英単語が目に入った。車やバイクを連想させる。趣味なのだろうか。

アドレスを登録し母の携帯を閉じたと共に、玄関で鍵を鍵穴に差し込む音が聞こえた。母がキーチェーンにつけている鈴がドアにあたり、小刻みに鈴の音が響いた。母の携帯の電源から切れている事を確認し、慌ててキッチンに駆け込む。冷蔵庫から麦茶を取り出したと同時に、玄関のドアが開いて母がキッチンまで上がりこんできた。

「おかえり」

何事もなかったかのように、麦茶をコップに注ぐ。

「ただいま。今、ご飯にするね」

余所行きの格好で、両手には近所のスーパーの袋を抱えている。結構不似合いだ。せっかくお洒落な格好をしているんだから、お使いは別の機会にすればいいのに、と思うけど、何も言わずにコップと一緒にキッチンを出た。スカートのポケットに私の携帯があるのを確認して、部屋に戻った。メールアドレスを登録してから、携帯が重く感じる。ついさっきまでポケットに入っていても気にならなかったのに、一度意識してしまうと思い。早くメールをしたい、連絡を取って、姉の事を聞きたい、という衝動が高まって、それでも母のいる場所では電話もメールもできない事は分かっていた。

彼女に見つかったら、絶対に会わせてもらえない。理由は分からなくても、それだけの確信はできた。
2013-05-08-Wed-03-44

人探し、夏④

急いで、急がなきゃ。緊張で強張る指を集中して操りながら、メールの受信箱を開く。使い慣れない携帯だから、誤って関係ない画面を開いてしまったり、開くつもりで押したボタンが実は閉じてしまうボタンだったりと時間がかかった。母がいつ帰ってきてもおかしくないのに、慌てると必要以上に無駄な時間を費やしてしまった。

受信箱には私の名前と、名前の無いメールアドレスで埋め尽くされていた。

迷わず名前の無いメールアドレスからのメールを一件開く。画面いっぱいに小さい文字が浮かび、町内会のお知らせを述べる用件だとすぐに分かった。次も、そのまた次も、最近は携帯メールを回覧板代わりにでもしているのか、お知らせや注意事項などが細かく記されている。

メールをいちいち読んで確認しているうちに、指が疲れてくる。ボタンを何度押せばナイトウソウヤからのメールが読めるのか、それとも実際にメールが存在するのかが分からなくなり、いつ帰ってくるか分からない母に対しての不安も湧いてきた。見つかったら、怒られるだろうか。やっぱり他人のメールを読むのはプライバシーの侵害だし、母が私の携帯を勝手に見たら私は怒ると思う。

静かな家の中で、ボタンが押されるたびに聞こえるピッピッピという機械音だけが響いた。帰ってきてから大分時間がたっているけど、特に興味の無い関係なさそうなメールばかりで、何も見つかる気がしない。

一番最後のメールにたどり着いた時、とある単語が目に入った。

りさ。

りさちゃん、とか、娘さん、とかじゃなくて、りさ。呼び捨て。

母は姉の事をりさ、と呼び捨てにしていたけど、これは受信箱だ。知り合いや親せきはりさちゃん、と呼んでいたし、私はお姉ちゃんと呼んだ。母じゃないとすれば父だけど、父だったら宛名が付いているはずだ。

だったらもしかしたら、これはナイトウソウヤからのメールなのかも知れない。


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